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人間の嗅覚は実はイヌ並!?_最新の知見より

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米科学誌サイエンスに掲載された論文によると、米ラトガース大学の神経科学者ジョン・マクガン氏は、人間の嗅覚が劣っているという、同氏が言うところの「誤解」を導いた過去の研究や歴史的文献を見直した。人間は約1万種類のにおいを嗅ぎ分けられると長年考えられてきた。だが、その数は1万どころか実際には1兆種類近いとマクガン氏は言う。
同氏の論文によると、人間の嗅覚は貧弱だとする「俗説」の出所は、19世紀フランスの脳外科医で人類学者のポール・ブローカだという。ブローカは1879年に発表された論文の中で、人間の脳の中で嗅覚野の容積が他の部位に比べて小さいことに言及していた。このことは人間が自由意志を持ち、イヌや他の哺乳類のように生き残るために嗅覚に依存する必要がないことを意味するとブローカは主張した。
マクガン氏によると、嗅覚情報を処理する脳組織の嗅球(きゅうきゅう)が脳全体の容積に占める比率をみると、人間のわずか0.01%に対し、ネズミでは2%に及ぶ。だが人間の嗅球は実サイズがかなり大きく、成人で約60ミリに達することもあり、他の哺乳類の嗅球と比べてほぼ同数の神経細胞を持っている。
嗅覚に関する人間とイヌとネズミの間の違いは、特定のニオイに対する感受性の差に帰する可能性がある。「人間にはニオイの痕跡をたどる能力があり、人間の行動状態と感情状態はともに嗅覚に影響される」とマクガン氏は記している。
「Poor human olfaction is a 19th-century myth.」
PMID:28495701

上等のワインの香りを嗅ぐ事に関しては人間の法が上手いかもしれませんが、電柱の周りについた様々な尿の臭いを分析することにかけては、やはりイヌに軍配があがることでしょう。

においと血糖値_最新知見より

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本日は3月14日。各職場にもきっとおいしそうなケーキやクッキーが並んでいることでしょう。

さて嗅覚受容体の話は「においとは」で簡単ですが紹介させていただきました。

最新の研究で、このにおいセンサー(嗅覚受容体)が実は膵臓に存在し、私達の糖代謝にも関係しているのではないかという、ある意味衝撃的な内容が今年1月に発表されました。

 

「Olfactory receptors are expressed in pancreatic β-cells and promote glucose-stimulated insulin secretion.」

訳:嗅覚受容体は膵臓β細胞に発現しグルコース応答性インスリン分泌を促進する

PMID:29367680

 

この研究は東北大学大学院と大阪大学大学院の共同研究でなされたもので、鼻の嗅覚神経の「におい」を感知するセンサーである「嗅覚受容体」が、ヒトやマウスの膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)にも存在していることを発見したとの報告がありました。

におい物質の一つであるオクタン酸をマウスに経口で投与すると、膵臓β細胞にある嗅覚受容体の一つ(Olfr15)によって感知されると、血糖値が高いときだけインスリン分泌が促進し、高血糖が改善するそうです。

さらに、このマウスの嗅覚受容体に相当するヒトの嗅覚受容体が膵臓β細胞にも同様に発現していることが確認されました。

 

将来、薬を飲むのではなく、とある薬品のにおいを嗅ぐいだだけで、血糖値が下がるような、夢の薬品が開発されるかもしれませんね。

においの人種差(嗅覚の人種差)_最新知見より

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耳鼻咽喉科外来を受診する嗅覚障害患者の約半数が副鼻腔炎が原因だと言われています。次いで風邪を引いた後ににおいを感じなくなる人が約2割、頭部の外傷による人が1割、原因不明も2割ほどいます。

 

このように、嗅覚障害の原因は様々であることが解りますが、201712月に米国のスタンフォード大学と豪州のシドニー大学の共同研究で、嗅覚障害に陥りやすい患者の背景についての報告がなされました。(PMID:29204574

報告によると、まず嗅覚障害患者は加齢と伴に有意に増加し、尿検査ではマグネシウム、 2-チオキソ-4-チアゾリジンカルボン酸, 2-アミノ-4,5-ジヒドロチアゾール-4-カルボン酸が低値を示すことが言われています。また、人種による違いでは、アジア人が比較的嗅覚障害になりづらい人種であることも統計的に解明されました。性別の違いでは、男性よりも女性の方が臭いを同定しやすい、つまり臭いに対して敏感であることが示唆されています。さらには、喫煙者は非喫煙者と比較して嗅覚障害になる可能性が高いとも報告されています。

一方で、嗅覚障害のひとつである無嗅覚症と嗅覚鈍麻患者は血清中の鉛、尿中の2,4ジクロロフェノール濃度が上昇していることも明らかとなりました。

 

もちろん、根本的な原因をすべて解明しているわけではありませんし、加齢、人種や性別の面では自分自身で予防したりすることが出来ない部分も多くあります。しかし、たばこをやめる、マグネシウムを多く含む食品を食べるように心がける、カルボン酸に関してはクエン酸回路における生成物であるため三大栄養素をバランスよく摂取するなど、自ら嗅覚障害を予防できる部分も多くあるのではないでしょうか。

 

嗅覚障害が発症するリスクを少しでも減らすために、まずは自分の環境、生活習慣を見直してみるといいのかもしれませんね。

においと睡眠_最新知見より

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においと睡眠

鼻の副鼻腔という空洞部分に炎症が起こる「副鼻腔炎」が慢性化した病気のことを「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」といいます。

年齢問わず発症し、骨格や、アレルギー性副鼻腔炎が長引いてしまうこと、炎症により粘膜が厚くなることなどが発症に関連しているといわれます。

先日のコラムでは、この「副鼻腔炎(蓄膿症)」がたばこを吸っていると悪化しやすいという報告をご紹介しました。

 

今年6月に報告されたその研究は、難治性の慢性副鼻腔炎の患者さん198人を対象にSNOT-22という22項目のアンケート調査を施行したものです。(PMID: 28600803
そのアンケートの項目は、例えば鼻をかむ程度、イビキの程度、鼻水の程度、夜間覚醒の程度、日中の疲れの程度、味覚嗅覚の程度とかかなり多岐にわたるものです。

そのアンケート調査結果を解析した結果、生産性の低下は心の不調および睡眠障害の2領域のスコア低下と強く相関することが分かりました。

 

当院でも睡眠障害がある場合に副鼻腔炎(蓄膿症)が発症する割合が多いことが経験的に明らかです。

まして副鼻腔炎が悪化すれば、嗅覚が減退するのは間違いありません。
においと睡眠の関係の間には、副鼻腔炎と睡眠障害という重要な疾患が介在していることを忘れてはなりません。

よい睡眠は記憶を定着させたり、心身の疲労回復をもたらします。また、免疫機能を強化するといった役割ももっています。

健やかな睡眠を保つことは、活力ある日常生活につながっているのですね。

においとタバコ_最新知見より

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においとタバコ

嗅覚障害を引き起こす要因のひとつに「副鼻腔炎(蓄膿症)」があげられます。
この副鼻腔炎は比較的メジャーな病気ですが、なんと嗅覚障害をきたす患者の約4-5割を占める疾患であると言われています。

そして喫煙行為、これはもちろん病気ではないですが、両方が組み合わさると一体どのような事が起こってしまうのでしょうか?

副鼻腔炎に伴う嗅覚障害は鼻茸・嗅裂部付近の粘膜腫脹による気流障害が生じ、におい分子が嗅上皮まで到達しないために起こる呼吸性嗅覚障害です。

今年3月、この副鼻腔炎患者でかつ喫煙者は、生産的な生活が送れないという研究報告がなされました。(PMID:28295361

3か月間仕事や学校をどのくらい休んでしまったかの統計をとったところ、喫煙者は平均値の倍の日数欠勤または欠席していることがわかりました。原因は副鼻腔炎によって引き起こされた鼻粘膜上皮の炎症をたばこの有害物質によって刺激してしまうことかもしれません。
さらに、喫煙中、禁煙中関わらず喫煙歴がある場合は生産性が落ちる傾向にあるようでした。ただし、禁煙者よりも現喫煙者のほうが大幅に生産性への影響が大幅に大きいことも分かっています。

この報告は慢性副鼻腔炎患者を対象にしているものですが、たばこをやめなかったために症状が急性から慢性へ転換してしまったことも示唆されます。
ぜひ、副鼻腔炎に悩まれ、喫煙をしている方は今日からでもたばこをやめてみてはいかがでしょうか。

近年、禁煙を推奨するの世の中ですが、においの観点から考えてもたばこはやはり「百害あって一利なし」のようですね。

においの性差(嗅覚の性差)_最新知見より

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嗅覚の性差について

嗅覚障害は女性に多い症状と言われています。

一般的に耳鼻咽喉科外来ににこられる嗅覚障害の患者さんは、男女比、3:5という統計があることが根拠でしょうか。

当院では更にもう少し女性が多いような気がしますので、少なくとも「嗅覚障害は女性に多い」というのは事実なのかもしれません。
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