においの性差(嗅覚の性差)_最新知見より | においの外来_嗅覚外来

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においの性差(嗅覚の性差)_最新知見より

2017/06/01

嗅覚の性差について

嗅覚障害は女性に多い症状と言われています。

一般的に耳鼻咽喉科外来ににこられる嗅覚障害の患者さんは、男女比、3:5という統計があることが根拠でしょうか。

当院では更にもう少し女性が多いような気がしますので、少なくとも「嗅覚障害は女性に多い」というのは事実なのかもしれません。

2017年4月にNature(ネイチャー)で発表された論文では、マウスにおいてメスの嗅覚はオスよりも鋭いという報告がなされました。(PMID: 28443629)
実験結果では、以下のように結論付けられています。
1.嗅球の糸球体の反応がメスの方が速い。
2.一つのにおい物質でメスの方がより多くの糸球体が反応する。
これは、女性の方が脳でにおいを判断するときにコントラスト(信号の強弱)をつけやすい、すなわちにおいに対する感受性が豊かだということを示唆しています。

では、それはにおいに関する仕事に女性が向いているという事なのか、考えていきましょう。
ソムリエの資格試験の累積合格者の男女比は、男性55%女性45%です。
また香水を取り扱う調香師は、圧倒的に男性が多いそうです。

メディアで見かけるシェフやパティシエも男性の割合が多いと感じます。
このように、職業の男女平等化が完全に終わっていないという現状を割り引いて考えても、実際には全く逆の結果になっているのです。

先ほどの研究では、もう一つの重要な結果がでています。
性腺(オスは精巣、メスは卵巣)を取り除いたマウスは、嗅覚がほぼ同じ精度になるという事実です。
つまり、嗅覚は男性女性とも性ホルモンの影響を強く受けるということなのです。
とある女性調香師の談話でも、「生理中は調香をしないようにしている」とおっしゃってました。

また、調理師として働いている方からも、「生理中は最終的な味のチェックは担当しないのが暗黙のルールだ」というお話を頂きました。

感受性豊かな女性ですが、その豊かさゆえ、ホルモンの影響も過剰に受けてしまうのかもしれません。

それだけ女性は繊細な生き物と言えるのでしょう。