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新型コロナウイルスと嗅覚障害の関係(第二報)

2020/04/26

新型コロナウイルスと嗅覚障害の関係(第二報)

ニューイングランド・ジャーナル(NEJM)は医学雑誌としては最高峰で世界で一番権威ある雑誌です。

現在NEJMは医療者向けに新型コロナウイルス(Covid-19)に関する論文を無償で提供しています。

世の中にはいろいろな情報が氾濫・錯綜しておりますが、医療者を含めて我々はNEJMで発表されたことを「暫定的な真実」として評価または信用していくのが文明人として賢明な行動といえるでしょう。

その中で令和2年4月24日付でNEJMで発表された論文から、新型コロナウイルスにの詳細な臨床症状を抜粋紹介いたします。

 

 暴露(訳注:病原体が体内に入ること)から症状発現までの潜伏期間の中央値は約4〜5日で、症候性の患者の97.5%は感染後11.5日以内に症状を示す。症状には、発熱、咳、喉の痛み、倦怠感、筋肉痛などがある 一部の患者は、食欲不振、吐き気、下痢などの消化器症状を示す。嗅覚と味覚の消失も報告されている。(訳注:消化器症状が一部(some)なら、嗅覚と味覚の消失の発生はさらに稀な症状と解釈する)一部の入院患者では、息切れは、最初の症状の発症後5〜8日の中央値を示す。 息切れは病気の悪化を示唆する。
Covid-19の合併症(訳注:致死性の間質性肺炎)の危険因子には、高齢(例、65歳以上)、心血管疾患、慢性肺疾患、高血圧、糖尿病、および肥満が含まれる。他の因子(腎臓病、免疫抑制、がん、および制御されていないヒト免疫不全ウイルス[HIV]感染)は、合併症のリスクの増加をもたらすかどうかは不明だが、これらの状態は他の呼吸器病原体に感染した後のより悪い結果と関連している可能性があるため、これらの因子のCovid-19患者に対しては十分な監視が必要である。

 

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcp2009249?query=featured_coronavirus

行政には上記論文の内容をよく検討していただいた上で、自宅待機やホテル隔離の患者さんを注意深く監視をして、合併症のタイミングとその兆しを見逃さないことを期待します。文責:浅間洋二