においと血糖値_最新知見より
2018/03/14
本日は3月14日。各職場にもきっとおいしそうなケーキやクッキーが並んでいることでしょう。
さて嗅覚受容体の話は「においとは」で簡単ですが紹介させていただきました。
最新の研究で、このにおいセンサー(嗅覚受容体)が実は膵臓に存在し、私達の糖代謝にも関係しているのではないかという、ある意味衝撃的な内容が今年1月に発表されました。
「Olfactory receptors are expressed in pancreatic β-cells and promote glucose-stimulated insulin secretion.」
訳:嗅覚受容体は膵臓β細胞に発現しグルコース応答性インスリン分泌を促進する
この研究は東北大学大学院と大阪大学大学院の共同研究でなされたもので、鼻の嗅覚神経の「におい」を感知するセンサーである「嗅覚受容体」が、ヒトやマウスの膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)にも存在していることを発見したとの報告がありました。
におい物質の一つであるオクタン酸をマウスに経口で投与すると、膵臓β細胞にある嗅覚受容体の一つ(Olfr15)によって感知されると、血糖値が高いときだけインスリン分泌が促進し、高血糖が改善するそうです。
さらに、このマウスの嗅覚受容体に相当するヒトの嗅覚受容体が膵臓β細胞にも同様に発現していることが確認されました。
将来、薬を飲むのではなく、とある薬品のにおいを嗅ぐいだだけで、血糖値が下がるような、夢の薬品が開発されるかもしれませんね。