https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcp2009249?query=featured_coronavirus
行政には上記論文の内容をよく検討していただいた上で、自宅待機やホテル隔離の患者さんを注意深く監視をして、合併症のタイミングとその兆しを見逃さないことを期待します。
においワールドコラム - においの外来_嗅覚外来においの外来_嗅覚外来
図4はこの研究の各論ですが、私達の解析システムの実用化のアイデアの一例にしか過ぎません。
A-Dは一人の上鼻甲介蜂巣の気導性嗅覚障害の患者さんを解析したものです。
E-Hは一人の中鼻甲介蜂巣の気導性嗅覚障害の患者さんを解析したものです。
鼻の内部には3種類の整流版があり、下段は下鼻甲介、中段は中鼻甲介、上段は上鼻甲介といいます。
鼻甲介は普通は一枚の板状の骨と両脇に鼻粘膜が付いていますが、蜂巣は骨板が中空構造になっています。
上鼻甲介蜂巣または中鼻甲介蜂巣は比較的稀な構造形態で、これまでに嗅覚障害、頭痛などの障害が起こりやすい事が報告されています。
本研究では、上鼻甲介蜂巣は嗅裂が袋小路の構造であって空気が奥まで行き渡らない事、嗅裂の空気の流量が健常人と比べて少ない事がわかりました。
また中鼻甲介蜂巣は嗅裂はノーマルスリットであったものの、嗅裂までの流路で低速の渦を起こし(H)、空気停滞による炎症を示唆する所見(E)も見つかりました。
写真Eは中鼻甲介蜂巣の前方粘膜が発赤していて、慢性的な低速空気の停滞による軽微な炎症と考えることができます。
また動画中では、鼻背部の流路で少量急速に流れており、これも嗅裂にたどり着く前ににおい物質が急速な枯渇する可能性があることを示唆しています。
患者さんを個々に解析していくというメリットは、外科的手術において術者医師が事前に構造と流れ方をよく理解して、実際の手術の役立てることにあります。
ですので今後の私たちの使命は、この便利なシステムの存在を日本のみならず世界中の医療者へ広めていくことにあると考えています。
この論文の主旨は図3です。
それぞれ左側の列、中央の列、右側の列の3種類に人間の嗅覚動態を分類しています。
左列は嗅覚正常な人、中央列はCODで鼻呼吸単独の人、左列はCODで口呼吸併用の人です。
上段は実際の人間からデータを取り鼻呼吸のみと仮定して計算したシミュレーションで、赤が右の嗅裂、紫が左の嗅裂を示しています。
上段AとCの嗅裂は一般的なスリット型形状をしていますが、Bの嗅裂は前方だけ開存しており異常形状といえます。
中段DEFも鼻呼吸のみと仮定して計算した鼻腔抵抗を示しており、Fの62.08Paというのは異常に大きな値で「実際には実現しないあくまでシミュレーション上での仮想値」というとこになります。
となるとFが非現実的だということは、人間は呼吸しないと生きていけないので模式図Iのように口呼吸も併用しているはず、という結論に帰着します。
ここで誤解してはならないのは「口呼吸する人が必ずしも嗅覚障害になるわけではない」ということです。
すなわち右列の解釈は「口併用呼吸で気導性嗅覚障害ある人は、嗅裂の形が正常でもそれまでの流路に比較的大きな障害物(Obstacle)が存在する人」ということです。
中央の列の解釈は「鼻呼吸のみで気導性嗅覚障害ある人は、嗅裂の形に何らかの異常がある」ということです。
以上小難しい説明になってしまいましたが、実は理屈は非常に簡単であってどれも自明の理であることばかりです。
しかし自明の理であっても科学的に証明するのが逆に難しいこともあります。
【概要】
気導性嗅覚障害(Conductive olfactory dysfunction;COD)は、鼻腔が何らかの閉塞することで起こり、嗅覚が一時的に悪くなったり戻ったり変化することが特徴の疾患です。 CODは、嗅裂が解剖学的に正常な場合でも発生する可能性があるため、原因は不明なままでした。
私達は、数値計算流体力学を使用して、COD患者のコンビームCTスキャンデータを利用した後ろ向きコホート研究で嗅裂の気流の状態を調べました。〔健康な人95人の鼻腔を調査した予備実験で〕鼻前庭~鼻腔咽頭間の最大流量時の圧力差を測定することにより鼻単独呼吸と口併用呼吸を区別するカットオフ値を定め、〔本実験の〕COD患者データに適用しました。
〔予備実験では〕鼻抵抗の増加は口併用呼吸につながること、〔本実験では〕最大流量での嗅覚裂の速度と流量は、嗅覚正常で鼻単独呼吸の健常者と比較して、鼻単独呼吸のCOD患者では有意に減少していることがわかりました。さらに、中鼻甲介蜂巣に関連する一般的な形態異常の詳細な分析も行いました。私達の研究は、CODの原因に関する新たな洞察を提供します。私達の〔予備実験および本実験の〕研究成果は、CODの外科的治療計画、睡眠時無呼吸の研究、子供のアデノイド増殖症の評価、およびスポーツ呼吸生理学の今後に重要な意味を持つと思われます。
「Analysis of conductive olfactory dysfunction using computational fluid dynamics」
(PMID: 35020767)
著者注:〔斜字〕は補足です。当研究は2つの実験、予備実験と本実験から構成されています。時系列的には本実験を後ろ向き研究としてまずおこなっていて、その後そのカオスなデータを整理する目的のために予備実験を横断的研究としておこなっています。
新型コロナウイルスと嗅覚障害の関係(第二報)
ニューイングランド・ジャーナル(NEJM)は医学雑誌としては最高峰で世界で一番権威ある雑誌です。
現在NEJMは医療者向けに新型コロナウイルス(Covid-19)に関する論文を無償で提供しています。
世の中にはいろいろな情報が氾濫・錯綜しておりますが、医療者を含めて我々はNEJMで発表されたことを「暫定的な真実」として評価または信用していくのが文明人として賢明な行動といえるでしょう。
その中で令和2年4月24日付でNEJMで発表された論文から、新型コロナウイルスにの詳細な臨床症状を抜粋紹介いたします。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcp2009249?query=featured_coronavirus
行政には上記論文の内容をよく検討していただいた上で、自宅待機やホテル隔離の患者さんを注意深く監視をして、合併症のタイミングとその兆しを見逃さないことを期待します。
新型コロナウイルスと嗅覚障害の関係(第一報)
いまだ新型コロナウイルスは世界的に猛威を振るっており、4日間以上の熱や咳のみ以外の症状として、世界各地の医師らは新型コロナウイルス感染症患者が突然に嗅覚を完全もしくは部分的に失う、という原因不明の症例を報告している。
嗅覚障害は今回のパンデミックに関係した「重大な症状」だと、米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会は22日に発表した。このような中で、3月27日 ハーバード大学医学大学院の研究者らは、一部の感染者が嗅覚や味覚を失った状況についての説明可能性を発表した。
筆者らによると新型コロナウイルスは鼻の主要細胞を攻撃する能力があり、そのため、“におう”ことが出来なくなってしまう。さらに、ヒトとマウスのゲノムデータの分析で、鼻の奥にある特定の細胞には、新型コロナが体内侵入で標的とする明確な形状のタンパク質(ACE2 and TMPRSS2)があることが判明した。これらの細胞の感染は直接的または間接的に嗅覚の変化につながる可能性がある。
ウイルス感染で正常な嗅覚機能に必要な鼻上皮の細胞が損傷する可能性もあるとの分析を明らかにしたことからも、筆者らは新型コロナ感染によって生じた鼻腔の炎症が嗅覚を妨げる可能性があると指摘している。。その上で、嗅覚喪失の原因究明が診断をサポートし疾患の影響を判断する上で重要な意味を持つとしている。さらに、患者の嗅覚障害が長引けば、栄養失調に加え、煙やガス、腐った食べ物など危険な臭いを感じることができないことに伴う損傷、鬱(うつ)病をはじめとする精神疾患につながるリスクを挙げた。
Non-neural expression of SARS-CoV-2 entry genes in the olfactory epithelium suggests mechanisms underlying anosmia in COVID-19 patients
View ORCID ProfileDavid Brann, View ORCID ProfileTatsuya Tsukahara, View ORCID ProfileCaleb Weinreb, Darren W. Logan, View ORCID ProfileSandeep Robert Datta
doi: https://doi.org/10.1101/2020.03.25.009084
高齢者や認知障害が認められる方において、嗅覚障害が関係していることが報告されています。ところが、認知機能を発症する年代ではない若い成人が嗅覚障害を発症した場合、認知機能にどう影響するかの研究はまだなされていませんでした。
2019年5月、ドイツで認知障害のリスクが特に高いわけではない、幅広い年齢層を対象とした、過去最大級の母集団ベースサンプルで相関を明らかにしたコホート研究が報告されたのでご紹介したいと思います。
「Olfactory function is associated with cognitive performance: results from the population-based LIFE-Adult-Study.」
(PMID:31077241)
この研究では、ライプチヒ生活習慣病研究センターがドイツのライプチヒで行った10,000人の参加者を対象とした集団ベースの前向きコホート研究であるLIFE-Adult-Studyのデータを使用しました(初回募集:2011年8月から2014年11月まで)。LIFE-Adult-Studyの目的は、有病率、早期発症マーカー、遺伝的素因、および主要な生活習慣病の要因を調査することです。調査内容には、代謝性および血管性疾患、心機能、認知機能障害、脳機能、鬱病、睡眠障害および警戒障害、網膜および視神経の変性、ならびにアレルギーが含まれます。参加者は住民の登録リストから無作為に選択されました。
10,000人のうち、参加した合計7381人の参加者が検査を受けることができました。これらのうち、114は嗅覚検査が完了しなかったので除外されました。残りの7267人のうち73人は3つの検査(言語流暢性、Trail Making Test A、およびTrail Making Test B / A)をすべて終えていなかったため除外されました。さらに395人の参加者が学習障害やうつ病に関する情報がなかったため除外されました。残りの6799のうち、16はパーキンソン病の診断により除外され、6783人(51.3%女性)が最終的に分析を行っています。さらに、その中の2227人(46.9%女性)はより深い認知機能を判断するテストも受けています。
認知機能を判断するテストには、ことばの流暢さ(VF)、単語リスト学習と記憶力(WLL、WLR)を、認知機能評価のためのTrail Making Tests (TMT) A および B、そして嗅覚診断として、「Sniffin ‘Stick Screening 12」(Burghart Messtechnik GmbH、Wedel、Germany)が用いられました。これは「Sniffin ‘Stick」テストの簡易版で、嗅覚機能のために一般的に使用されたセットです。ペン型容器に納められたフェルト芯に、におい溶液もしくは無臭の溶媒が染み込ませてあり、キャップを外して臭いを嗅ぎます。参加者は12種類の一般的な日常の匂いを嗅ぎ、その匂いが何であるかを4つの選択肢から1つを選択します。そして合計スコアを0から12ポイントの範囲で評価します。ドイツ製ということもあり、ドイツ人に馴染みの深い匂いが多く入っているのが特徴です。
別の研究では日本人が「Sniffin ‘Stick Screening 12」を使うと正確な嗅覚診断ができないという報告もありますので、本院では従来より日本人になじみの深いにおいを取り入れた「オープンエッセンス」を嗅覚検査に使っています。このキットのしくみは「Sniffin ‘Stick Screening 12」とほぼ同じ内容になっています。
合計6783人の参加者のうち、以下の割合の患者の認知機能が正常ではありませんでした:VF 759(11.2%)、WLL 242(10.9%)、WLR:132(5.9%)、TMT- A 415(6.1%)、およびTMT − B / A比677(10.0%)
これらの患者が行なった嗅覚検査との相関を調べると、VFのスコア値は0.42ポイント高く(p <0.001)、WLLでは0.32ポイント高く(p = 0.001)、WLRでは0.31ポイント高く(p = 0.002)、TMT-Aでは0.25ポイント低く。 (p <0.001)、そしてTMT − B / A比については、正しく識別された臭いの数当たり0.01ポイント(p <0.001)だけ低いことがわかりました。
この研究は高齢者に限定せず、若い人も含んだ条件下で臭いと認知機能との関係を調べています。今までの同様の研究では、対称の平均年齢が70-90代のものが多くあった中、18歳からの低年齢層も含み、平均年齢を低く設定している点で従来のものと差別化することができます。そのような条件でも、嗅覚は認知機能と密接に関連していることがわかりました。
つまり、認知障害のふるい分けの初めに嗅覚テストが非常に有効であることが示唆されたのです。
本院ではいつでも嗅覚検査を受けつけております、自身の認知機能について不安な方は是非一度検査をうけにきてはいかがでしょうか?
匂いを感じた時、ヒトは「快・不快」さらには「好き・嫌い」という情動的な反応(気持ち)を示します。匂いに対する情動的な反応は、遺伝的な要因によって先天的に決定されるケースもあれば、経験や学習によって後天的に調節・決定されるケースもあることが知られています。英国Wiley Online Libraryの科学誌Flavour and Fragrance Journalにおいて、九州大学での成果が発表されました。
この調査によると、従来行われていなかった先天的・後天的な情動反応が一致しない匂いに着目し、「良い香りだけど嫌い」もしくは「悪い臭いだけど好き」の知覚特性を調べました。
匂いに対する情動反応を評価する軸として、「快・不快」を直感的・本能的な情動反応、「好き・嫌い」を経験的・獲得的な情動反応を評価する軸として設定し、36種類の匂い物質に対して嗅覚認知実験を行いました。実験の結果、「快・不快」と「好き・嫌い」が一致した匂いでは、匂いの強度が強まるほど匂いの言語表現(フルーツの香り、アーモンド臭など)が一意に定まる傾向が見られました。その一方で、「快・不快」と「好き・嫌い」の評価が一致しない匂いでは、強度に関わらず匂いの言語表現が定まらない傾向が見られました。
つまり、「良い匂いでかつ好きな香り」、もしくは「臭くて嫌な臭い」という情報がないと、何の匂いかわからなくなってしまうのです。
匂いの感覚情報は、感情に関する偏桃体や記憶に関する海馬でも処理されていることがわかっていますが、その詳細な仕組みはまだわかっていないのが現状ですが、その先駆けとして非常に有益な成果ですね。
「The effect of different emotional states on olfactory perception: A preliminary study」
(参照:九州大学岡本剛研究室)
ということは、異性を口説くには相手の好みの匂いを見つけるとよいのかもしれませんね。
米科学誌サイエンスに掲載された論文によると、米ラトガース大学の神経科学者ジョン・マクガン氏は、人間の嗅覚が劣っているという、同氏が言うところの「誤解」を導いた過去の研究や歴史的文献を見直した。人間は約1万種類のにおいを嗅ぎ分けられると長年考えられてきた。だが、その数は1万どころか実際には1兆種類近いとマクガン氏は言う。
同氏の論文によると、人間の嗅覚は貧弱だとする「俗説」の出所は、19世紀フランスの脳外科医で人類学者のポール・ブローカだという。ブローカは1879年に発表された論文の中で、人間の脳の中で嗅覚野の容積が他の部位に比べて小さいことに言及していた。このことは人間が自由意志を持ち、イヌや他の哺乳類のように生き残るために嗅覚に依存する必要がないことを意味するとブローカは主張した。
マクガン氏によると、嗅覚情報を処理する脳組織の嗅球(きゅうきゅう)が脳全体の容積に占める比率をみると、人間のわずか0.01%に対し、ネズミでは2%に及ぶ。だが人間の嗅球は実サイズがかなり大きく、成人で約60ミリに達することもあり、他の哺乳類の嗅球と比べてほぼ同数の神経細胞を持っている。
嗅覚に関する人間とイヌとネズミの間の違いは、特定のニオイに対する感受性の差に帰する可能性がある。「人間にはニオイの痕跡をたどる能力があり、人間の行動状態と感情状態はともに嗅覚に影響される」とマクガン氏は記している。
「Poor human olfaction is a 19th-century myth.」
(PMID:28495701)
上等のワインの香りを嗅ぐ事に関しては人間の法が上手いかもしれませんが、電柱の周りについた様々な尿の臭いを分析することにかけては、やはりイヌに軍配があがることでしょう。
本日は3月14日。各職場にもきっとおいしそうなケーキやクッキーが並んでいることでしょう。
さて嗅覚受容体の話は「においとは」で簡単ですが紹介させていただきました。
最新の研究で、このにおいセンサー(嗅覚受容体)が実は膵臓に存在し、私達の糖代謝にも関係しているのではないかという、ある意味衝撃的な内容が今年1月に発表されました。
「Olfactory receptors are expressed in pancreatic β-cells and promote glucose-stimulated insulin secretion.」
訳:嗅覚受容体は膵臓β細胞に発現しグルコース応答性インスリン分泌を促進する
この研究は東北大学大学院と大阪大学大学院の共同研究でなされたもので、鼻の嗅覚神経の「におい」を感知するセンサーである「嗅覚受容体」が、ヒトやマウスの膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)にも存在していることを発見したとの報告がありました。
におい物質の一つであるオクタン酸をマウスに経口で投与すると、膵臓β細胞にある嗅覚受容体の一つ(Olfr15)によって感知されると、血糖値が高いときだけインスリン分泌が促進し、高血糖が改善するそうです。
さらに、このマウスの嗅覚受容体に相当するヒトの嗅覚受容体が膵臓β細胞にも同様に発現していることが確認されました。
将来、薬を飲むのではなく、とある薬品のにおいを嗅ぐいだだけで、血糖値が下がるような、夢の薬品が開発されるかもしれませんね。
耳鼻咽喉科外来を受診する嗅覚障害患者の約半数が副鼻腔炎が原因だと言われています。次いで風邪を引いた後ににおいを感じなくなる人が約2割、頭部の外傷による人が1割、原因不明も2割ほどいます。
このように、嗅覚障害の原因は様々であることが解りますが、2017年12月に米国のスタンフォード大学と豪州のシドニー大学の共同研究で、嗅覚障害に陥りやすい患者の背景についての報告がなされました。(PMID:29204574)
報告によると、まず嗅覚障害患者は加齢と伴に有意に増加し、尿検査ではマグネシウム、 2-チオキソ-4-チアゾリジンカルボン酸, 2-アミノ-4,5-ジヒドロチアゾール-4-カルボン酸が低値を示すことが言われています。また、人種による違いでは、アジア人が比較的嗅覚障害になりづらい人種であることも統計的に解明されました。性別の違いでは、男性よりも女性の方が臭いを同定しやすい、つまり臭いに対して敏感であることが示唆されています。さらには、喫煙者は非喫煙者と比較して嗅覚障害になる可能性が高いとも報告されています。
一方で、嗅覚障害のひとつである無嗅覚症と嗅覚鈍麻患者は血清中の鉛、尿中の2,4ジクロロフェノール濃度が上昇していることも明らかとなりました。
もちろん、根本的な原因をすべて解明しているわけではありませんし、加齢、人種や性別の面では自分自身で予防したりすることが出来ない部分も多くあります。しかし、たばこをやめる、マグネシウムを多く含む食品を食べるように心がける、カルボン酸に関してはクエン酸回路における生成物であるため三大栄養素をバランスよく摂取するなど、自ら嗅覚障害を予防できる部分も多くあるのではないでしょうか。
嗅覚障害が発症するリスクを少しでも減らすために、まずは自分の環境、生活習慣を見直してみるといいのかもしれませんね。